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「男役・蘭寿とむ」の死、そして再生。

「ご贔屓の卒業はファンにとっては死と同じです」
という、好きなブロガーさんの言葉をお借りした。

「失恋」なんていう言葉は使わないで欲しい。

なぜなら、もう「宝塚」で蘭とむの男役は「観ることがない」からだ。
次の花組公演に彼女はいない。

これはじゅうぶん「死」に価する。
しかし、それは生きる物に対する「死」という
「ネガティブ」な意味でなく、
「宝塚の男役」という、独特の空間でしか、
存在しえない人物が、その場所から去ることを言うのであり、
決して哀しいことではない。
本当に哀しいのは、彼女「蘭寿とむ」が忘れられてしまうことである。

だけど「男役・蘭寿とむ」にその心配はない。
それは、彼女を語る劇団関係者や、
タカラジェンヌさん、組子さんたちの言葉に表れている。

「蘭寿とむ」という存在は永遠に消えない。
タカラジェンヌにとって、これほどの幸せがあるだろうか?

人柄の良さばかりが語られがちで、
人柄しかええとこないんかい!
と、意地悪い自分は突っ込んでしまうので、
演技の面での彼女を評価したい。
(上から目線ですんません)

スカステでの「蘭寿祭り」で、トークをずっと聞いた。
今まで「語る蘭とむ」はじっくり観たことなかったから、
新鮮だった。

この人にはファン時代があって、その時代を大切にしていること。

「バトラーは究極の男役だから、やってみたい」
と、公言してたこと。これが実現してたら、
イシちゃんに負けないバトラーが観られただろうと思った。

柴田作品が本当に好きだったこと。

「バレンシアの熱い花」「小さな花が開いた」
よりは、新公で演じていた「琥珀色の雨にぬれて」のクロードが
本当に似合ってた。こちらを再演しても良かったのではないかと思う。

彼女は理論的に役作りする人で、
納得いかないと、演じることが上手くいかないタイプ。
ゆえに、出来不出来の差はあるが、
学年があがり「経験」をつむことで「力技」を使える役者になったこと。
「サンテ」が良い例だと思う。
どう理詰めで考えても、とっちらかった構成の台本で、
よくぞ頑張ったと思う。

初日で100%の力を出してるとするなら、
楽日には120%にして観せることの出来る役者。
それが蘭寿とむだと思う。

残念なことに個人的には宙組時代のほうが、
色々な役が観られたけれど、
トップになってからは「オーシャンズ11」以外
役の引き出しがあまりに少ない作品にあたってしまい、
「演技」ののびしろが半端な形でとまってしまい、
最終的に「力技でねじ伏せる」のが多かったのが、
もったいない。もちろん、この「力技」が出来たことにより、
彼女が、舞台の道にすすむのであれば、
それは、この上ない武器となると思う。

「男役」として、究極を極めていながら、
それを前面的に発揮する作品には、出会えていないながら、
「最後の大君」では、登場しただけで、
背中で「男役」を漂わせたといわしめた、
蘭寿の努力のものすごさに、ワタシは敬服する。

彼女は器用ではないが、一度役にハマれば、
素晴らしい舞台をみせることの出来る役者である。
「くらわんか」は、その成功例だと思う。

彼女は、ファン時代を大切にしていて、
だからこそ、どうすれば観客が喜ぶかを考えていたし、
そのポイントを知る人だった。
襟の開け具合い、視線の運び方、台詞のいいまわし。
ファン時代があって、受験する生徒さんは他にもいるが、
「入団」で、そのことを忘れてしまってる人のほうが多く感じる。
「入団」してからがスタートなんですが。

個人的に嬉しかったのは、マヤミキの言葉を
いつまでも忘れないでいてくれたこと。
ワタシはマヤミキ卒業で、宝塚から離れていったけれど、
その間に蘭寿とむは、確実に経験をつんでいったのだな、と
嬉しくなった。伝統は花で受け継がれたんだな、と。

「男役・蘭寿とむ」は「死」。

表現者・蘭寿とむとして、歩むのかはわからないけれど、
宝塚では中途にとまった役への「のびしろ」は
まだまだあるので、ご本人がヤル気があれば、
ぜひとも舞台の上で活躍して欲しい。

それは「蘭寿とむ」の「再生」でもある。

「男役・蘭寿とむ」へ。
たくさん楽しませてくれてありがとう!
あなたの舞台が観られて良かったです。
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Author:ナムタン
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