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「愛のベルサイユ」~安奈淳の感性~

「見果てぬ夢」
2回目を何度か繰り返して観てるんだが、
「上手い」しかいえないバカです。
すいません。

「百聞は一見にしかず」の諺どおり、
一度、聴いてください。
そして、感性の合う方なら、
いかに安奈淳が、優れた「表現者」であるか
おわかりいただけるかと、思うのです。

その代わり1冊の本をご紹介します。
「愛のベルサイユ」
安奈さんが在団中に出版されたエッセイです。
昔から、スターさんて、本出してたんでしょうか?
自分の通った頃も、トップクラスになれば写真集とエッセイが出るのが
お約束になってた感じがします。
イチロくん、マヤミキ、ヤンさんも。
ユリちゃん、マリコさん。思いつくまま。
1冊、今なら笑えるのが、
「スミレ3重奏」タモ、マミ、ノル、そこに、イシちゃんが
加わり、「4重奏」を奏でたエッセイになるはずが、
思えば文章嫌いのイシちゃんの強固な意志で、
他の三人で、原稿をうめたようエッセイでした。
でもマミさんとタモさんの同期エピソードが何気に好きでした。

そんなタカラジェンヌのエッセイ。安奈さんが書いたのか!
忙しい身なので、一瞬ゴーストがいるのかな?
だってタイトルが「ベルサイユ」やし、少し疑った自分です。
すいません。疑って申し訳ない!!

ワタシ、この人が好きな理由の2つ目が文才です。
絵がお上手なのは有名ですが、
本当に本当に「文体」ができてる方なんですね。
文章の上手い下手の見分けは「自分の」言葉で
書いてるかどうか?だと思います。
わかりやすいのは、いくつかのブログを読みます。
どこかの文章のキリハリみたいなのは
「自分のない」文章です。
しかし安奈さんには「自分の文体」があります。
そこから驚きました。

ワタシはいつも驚きから入るんですが(苦笑)

今回は「緑のブーケ」という章をご紹介します。

なぜなら、安奈さんのオスカルへの
役作りのアプローチといいますか、
オスカル像が描かれているからです。

今までのジェンヌさんのように、
「男の子として育てられて、まさに宝塚のような役」
「女っぽくならないように」とか
「宝塚でやりたい役です」など、
同じようなコメントの繰り返しに飽きた自分には、
こんな真剣に「ベルばら」の脚本(原作)をきちんと読んで、
オスカルを演じてたのかと思い、
非常に感激した次第です。

できるなら、これからオスカルをやる人には
読んで欲しい本です。
植田センセや谷センセ、鈴木Kの演出なんかより
よほど「正確」だと思います。

~かげろうゆらめく緑の野原に
誇らしげに花開いた一輪のユリ
とほうもなく続く草木の色は
鮮やかなオレンジに燃える鬼ユリに
おごそかにひれふしていたのです
真昼の太陽のように
ありとあらゆる生けるものに
生命をわけあたえ
毅然として立ちつくす女神にも似て~

緑のブーケにたった一輪の鬼ユリをさして、
しばし見とれていると、私自身の姿がそこに浮かんでくるのです。
花というよりは、植物の葉。
華やかな衣装のかわりに、燃えるようなグリーンをまとい
心にオレンジに燃える鬼ユリをさしてる私の姿が。
ちょうど、オスカルが純白の軍服姿の下に
恋する乙女の熱い心をひそめているように。

花は乙女(処女)、草木は男の心です。
男装に身をつつみ、処女の心で、物思う私の姿。
花に埋もれたいとも思わない。
あの鬼ユリのようにプラトニックな愛する心を
いつでも いつまでも 持ち続けたいと思ってるのです。

幼い日にやきついた、一輪のユリとの出会いに、
私は私自身の宿命を予感したのかもしれません。
タカラジェンヌ。
男装の麗人を演じるようになる、この姿。
そしてまた、あの鬼ユリに目をとめさせたのは
いつの日か、私の心に宿ることになった
あの、オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェの
仕掛けごとだったのかもしれません。
女の身でありながら、勇敢に、革命に死んだオスカル。
その心に、ようやく知り染めたアンドレへの深い愛を抱いて。
女としての喜びを、ついに夢見ることしかできなかったオスカルは
死の直前、アンドレの本心を知り、
「これが愛なのか、アンドレ。
私を愛しているのなら、何故抱こうとしないのだ?
アンドレ、これが愛なのか?」
と、絶叫するのです。

以上が安奈さんのエッセイから抜粋した章です。

オスカルを理解してると思いました。
当時の漫画事情を知りません。
ただ軽く見られていた時代だったような気もします。

話はそれますが、漫画には確かに読むに価しないものもあります。
ただ字が読めると同時に、漫画にふれ、
なぜか読むように母が色々買ってくれてた自分には、
漫画もまた文学と芸術の1つの形であり、
この世代の方が、漫画を「正確」に読み込んでおられるのに、
またまた驚いたわけです(何回驚くねん、ゆう話です)

ラストに書かれてるオスカルの心理描写は
原作のものです。脚本からではありません。

これは、推測ですが、
安奈オスカルは植田脚本より
池田理代子の世界に近かったんじゃないか?と。
彼女がオスカルを作るうえで、参考にしたのは、
すべて原作からではないか?と思うのです。

昔ヤンさんが「原作のオスカルはこんな言葉つかわない!」と
変更したお話は有名だし、そのまま「男言葉」で
ちぎカルも演じていました。

こうして、安奈オスカルの精神が、オスカルを演じた生徒さんに
受け継がれていると、少しは良かったと、
あれだけ「再演まみれ」で勘弁してほしくても、
安心してしまうのです。

そして、訂正します。
歴代オスカルの「的確な役作り」では1番だと、
ここに書かせていただきます。
これだけ、オスカルを理解してる方が演じてくれたなら、
手垢にまみれたマンネリ作品でも
人は喜んで観ると思うのです。

作り手と観客の意識の差をひしひしと感じました。
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No title

 たぶん美樹ちゃんは、あんまり考えていなかったんだと思うのですが・・・(苦笑)
 文章は子供には難解でした。不思議ちゃんですし。何度も何度も読みましたね。
 ピーター・オトゥールの名前もこの本で覚えましたし、袖から客席を見ている(のかな?)オスカルの後ろ姿のイラストがなんとなく好きでした。

 とても率直な方なんですけれど、率直すぎて子供には理解不能なところも多々ありまして(笑)
 美樹ちゃんのオスカルが花開いたのは、最初に相手役をされたショーちゃんを信頼していたということもあると思うんですよ。
 二人は本公演3作のみのコンビで(地獄の地方長期公演があったので、10作ぐらいやった気分なのかな)あまり長い期間ではなかったのに、宝塚時代の一番の親友としてためらわずにショーちゃんの名前を出されていますし、闘病中に心の支えになってくれたとのことです。
 相手役が心もとない人でなくて自分のお役に集中できたというのは、良かったのではないでしょうか。

 NHKがリクエストで再放送番組を決定したとき昭和の古い作品の中で唯一上位に食い込んで再放送されたのが「ベルサイユのばら2アンドレとオスカル」です。
 それだけ私だけではなく宝塚ファンの中で特別な作品なんだなと思いました。この放送は我が家のDVD録画第一号となり当然激リピです(笑)
 最近は「当時は言われるままに演じていていて、わけわからないんだけれどこうやってね」と銀橋での振りの話とかされていらして。

 役を作るときは資料はたくさん読まれたとのことでした
 オスカルには延々と続演で、うんざりだったご様子でしたが

 ラジオドラマでオスカル演じられているのを聞いたとき、ファン馬鹿ですが、これがオスカルの声なんだと思ったものです。切なく中性的な芯のしっかりした声で。
 田島さんの声は私としてはオスカルではないんですよ。潤いがなくて細くて、老けていますし。アメリカンな大人の女の声というならわかるのですが。
 まだ「ラ・セーヌの星」の二木さんのオスカルの方が若さや声の芯に円さがあるので、声質の差は舞台女優としての鍛錬やキャリアの差かもしれませんけれど。

 美樹ちゃんのオスカル、アンドレが亡くなる時の演技が私は好きです。アンドレが撃たれ、バスティーユに突入するまでの「シトワイヤン行こう!」までの芝居ではこれ以上というのを観たことがありません。

 オスカルがアンドレが撃たれてからぎゃあぎゃあ騒ぐという自己流演出が最近のデフォですが、
 シメさんのせり故障の時に、何か降りてきて最高の演技ができたと感じた「愛する人が撃たれたら喉がしまって声が出なかった」」というコメントを読んで、
 美樹ちゃんのオスカルがアンドレの名を叫ぶまでほとんど何も声を発していなかったのは、あれは正解で間違いないんだと。
 浅い洞察では「愛している人が撃たれたら声が出る」だと思いますが、役になりきったらシメさんの「声が出なかった」が正解でしょう。

 ちぎちゃんも集中しているときはあんまり騒がなかったんですよ。

えむさま

「愛のベルサイユ」
タイトルが不安(苦笑)だったのに関わらず、
本当に良いエッセイでした!!頭の良い方ですよね。
オスカルを、ああも的確にとらえたジェンヌさんは初めてです!
オスカル愛の強い生徒さん。思いは伝わるんですが、
感性に頼ってる部分が見えます。。
でも私は役を理論的にとらえる方が好き(^^)

ショーちゃんさん。
いいですね~あの方は、どれだけ大スターでも、
本当に「素直」に良いものは良い、と認める懐の深さが好きです。
器用でないから、努力する、という姿勢など。
なんか語ってしまうので(笑)またの機会にお話しましょう!!

ありがとうございました!!

オスカルの処女性

…に目を向けている点が、素敵だなあ…と感じます。オスカルが少女に夢を与える大切な部分でもあるからなんです…。
オスカルは、親に与えてもらった身分はありますが、適齢期には自らの意思に逆らっても結婚することでしか女性は人生を先に進められなかった時代に、自らの意志を持って恋をし…耐え忍び、やがて本当の愛情に目覚め初めて身体を男性に委ねるのです。彼女を白薔薇と比喩する由縁です。
安奈さんは直感的に物事を捕らえる感性に優れていらっしゃっる…と、記事を読ませて頂き改めて納得しました。
表現に対しても、純粋で繊細ですよね。

それは…大浦さんにも、感じていたことと似ていて、自分が表現したい理想の為には…身体をいじめる事も厭わない人でした。

何度PCから送っても…拒否されるので携帯から送ってみました。

クロさま

コメントありがとうございます。

安奈さんの「オスカル考察」は非常に新鮮でした。
いままで、容姿やカツラなどの外見のこだわりの話は
飽きるくらい読みましたし、
宝塚のオスカルイコール「男装の麗人」扱いで、
ここまでキチンと「原作」を読み込んで
発言されたオスカル役者さんを、ワタシは知らず、
ある意味衝撃でした。

オスカルの外見は、まさに「見た目」なのでどーとでもいえますが、
内面の心情を語る場合、役者が「オスカル」をどう考えてるかで、
演じ方も全然違うと思うのです。
「処女性」云々を漫画読みの世界では語ってましたが、
ヅカでは、なかったように思います。

直感で感じたなら、やはり素晴らしいと思います。
ナツメさんに関しては、まだまだ勉強不足ですので、
また、キチンとみて書きたいと思います。
ありがとうございました。
プロフィール

ナムタン

Author:ナムタン
宝塚歌劇の批評、芝居のお話などを書いてます。
自己紹介なしのコメント、
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