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「ベルばら」成功前に去ったスター~夢の祭典~

真帆志ぶき。

彼女が登場する。
すると、どこからかともなく、

「スータン!」
かけ声がかかる。

あの広い劇場を彼女は一瞬にして佳き時代の宝塚に変えてしまった。

あの頃の宝塚。

それは「ベルサイユのばら」以前の話。

作り手も生徒も、一緒になって作品を作り出していた、
良心にあふれた劇団であった。
そこから、生まれた作品の1つに「シャンゴ」がある。
「宝塚の鬼才」と決まり文句で語られる座付き作家の作品だ。
鴨川清作である。

再演不可能とまで言われる作品を、
この時代の作り手も、生徒も、きちんと上演したのである。

何でも簡単に「再演」を口にするけれど、
そして安易に再演する作品もあるけれど、
どうやっても「難しい」作品があり、
そういう「不可能」な作品を作り出せる作家は、
もう、いない。

スータンさんは、その鴨川先生の、同士であり戦友のようであったと
思われる。推測なのは「見てない」からだ。
彼らが作品を作り出す空間。
上演される作品に、頬を上気させて劇場に足を運ぶ観客。

「シャンゴ」に続く作品が

「ノバ ボサ ノバ」

これこそ今、海外で上演しても恥ずかしくない
宝塚発信の「日本が作ったショー」だといえるだろう。

その初演で義賊ソールを演じたのが、
真帆志ぶき。

物語をご存知の方も多いと思うので、
省略するが、ソールとエストレーラのつかの間の恋に
歌われたのがこの
「アマール アマール」である。

スータンさんが登場すると、
そこから、ワタシは海辺を想像する。
それは夜明けである。
東の空から、太陽が光さす前。
カルナバルは終わり、恋も終わる。
2人はそれを知っている。
別れることも、2度と会えないことも。
彼女の「白い手」をとる「黒い手」のソール。
そこには「人種」という壁もあったのである。
エストレーラは呼びかける。
「ソール」

「エストレーラ」
優しく答えるソール。
歌は、スータン・ソールのこの一声から始まった。

そしてアマール(愛)を歌うのである。
この歌詞はシンプルでかつ美しい。
寺田滝雄という宝塚の大作曲家がいて、
メロディをつけたことで、名曲が誕生したのである。
歌い継いで欲しい、曲の1つである。
こちらは初演版を、鴨川先生と寺田先生に感謝の意をこめて。
そして、スータンさんが今なおも歌う姿を思い浮かべながら、
宝塚が「宝塚歌劇団」であった時代に
思いを寄せて欲しい気持ちで、掲載させていただきました。

 ライ ライ ライ ライ
 メディ(私に下さい)
 月に似た やさし ほほえみを
 メディヤ(私に話して)
 星のような夜のささやき
 メアジューテ(私を助けて)
 夜霧にぬれ 愛の涙で
 アマール アマール

 メディ
 言葉なく 見つめる瞳を
 メディヤ
 あなたの夢 愛の誓いを
 メアジューテ
 あなたの手で 燃える炎を
 アマール アマール
 アマール アマール

スータン・ソールは、舞台をかける。
吉田先生のところまでいっては何かをささやき、
また、前に出ては客席にキザってみせる。

「ショースター」の醍醐味である。
昭和だの、古いだの、言いたければ言えばいい。
笑いたければ笑えばいい。

でも、彼女らが支えてこなければ、
今の宝塚はなかったかも知れないと思うのだ。
何十年後かには、今輝いてるスターさんが「平成くさい」と
笑われてるかもしれないのだから。

「ノバ ボサ ノバ」のラストのト書きには「希望」が
書かれてある。

「少年ボーロの飛ばした凧が、ソールの歌にのって高く舞い上がる。
 カリオカたちの力強い歌声が山にこだまする。
 漁綱に光り輝く波が、黄金の凧となって
 カリオカたちの歌にのって、いつまでも光輝く」

作家は「絶望」を書いてはならない。
そこにはいつも光輝くスターがいて、力強い歌声が響き、
ダンスを踊り、そして観客の心に、
「明日への希望」を与えなければならない。
それが「宝塚歌劇団」であり、
そこに夢を買いに来たお客様への、最高のギフトであると、
ワタシは思う。

夢はさめるもの。
祭典という祭りは終わった。

これからの宝塚に「希望」が必ずあることを
心より願い、また劇場に足を運ぼう。
きっと「新しい作品」が上演されて、
伝統を受けつぐ生徒さんたちが、
素晴らしい舞台をみせてくれると信じながら。
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ステージこそ我が人生

真帆様の全盛期のステージを見ることは叶いませんでしたが…
祭事の度に見せていただいたお姿を見ていると、そう感じます。

同世代のスターさんと比較して、破格の長期在団…
昭和30年代から昭和40年代後半の真帆様の変化を見ると、
まさに心血を注ぎ舞台を務め
ベルばら前夜の宝塚を支えてこられたのであろうと言う事がわかります。

酷く…身体そのものを消耗されていると言う事です。

同世代のお元気なOGさんと並ばれても、
それは感じます…確実に他の方より消耗されている事は…

それを押して尚、ステージに立たれるお姿は…そこにすべてを賭けていらっしゃるからなのだと思わずにはいられません。
セレブレーションで…多くの後輩達と競演される決心をされた真帆様に、
心からの賞賛と拍手を送りたいとおもいます。

チケットを融通して下さったC様ありがとうございます。
心より感謝いたします。


すいませんね

私が散々ブログでぼやきましたから・・・
ちょっと訂正しておきますね。

鏡獅子はお一人で小姓弥生の高い品格を要する女舞から、
獅子の化身に変化していく様と
荒事である毛振りを一体化させた
高度な一人舞の出し物。

正しくは…
宝塚おどりでそれらしきものを見せているのは・・・
白い毛の親獅子と
赤い毛の子獅子とが連れ舞う連獅子ですね。
(歌舞伎では親子・兄弟競演が一般的です)

どっちにしても、
子獅子が高い所で「必死に」毛を振り振りしてるのに
親獅子がお手軽なところで
首振りしてるなんて…
滑稽な演出ですけどね。

クロさま

ありがとうございます!!

これで納得しました!!!

そりゃ怒りますわ。

「なんちゃって」作品を観て喜んだアホみたいで哀しくなりました。
きちんと書いていただき、ありがとうございました。
プロフィール

ナムタン

Author:ナムタン
宝塚歌劇の批評、芝居のお話などを書いてます。
自己紹介なしのコメント、
不快になるコメントなどは
削除、通報いたします。
また名前が名乗れるのであれば、
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最低限のネチケットは守っていただきますよう
お願いいたします。

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